*** オームの法則が成り立つ範囲***
多くの法則は線形だけどその限界を考えてみよう


ある思い出
学生の時抵抗に0.5V位から15V位の電圧をかけて電流を測り最小二乗法で抵抗の値を求めてみようと実験していたら電圧を増やすと電流の増え方が鈍くな るの に気付いた.おや? と思って抵抗を触ったらとても熱くなっていた.この経験で自然法則は線形 (比例)で表現される事が多いが適応範囲があるのだと気がついた.

オームの法則でばどれくらいの範囲や精度で成り立っているか考えてみよう

回路を精度5%,温度係数 1000ppm/度 の抵抗を使って設計したとすると温度変化50度で設計精度を超える.
(真空管セットなどで手で触れない程抵抗が熱くなってるのがあるがこう言う観点からも大丈夫かと思う)

オームの法則で言うと上記の抵抗では 50C を超える温度変化を起こす電圧 (電流) 以上では 5% の精度でオームの法則は成り立たない事になる.

一方どれくらい小さな電圧でオームの法則は成り立っているかと考える:
熱雑音 (ジョンソン・ノイズ) を計算してみると 100K の抵抗で 100KHz の帯域を考えると常温では 10uV 程度の熱雑音が発生している.つまりこの例では 10uV 程度の電圧ではオームの法則は成り立たない事になる.


最後に

オームの法則やそれを拡張した交流理論で大抵の回路の問題が解けてしまう が,上に説明したように理論の適用範囲を知る事が大切だ.加えてオームの法則がなぜ成り立つかの本質的な理解が大事だ.
また半導体などオームの法則が成り立たない物質がある理由を理解する事も必要だ.

ちとカタイ話になってしまったので…
 
タイムボカンでメカニックデザインを知ったのだ