安く,簡単に作れて面白いゲルマラジオ





2Lペットボトル*6本入りの段ボール箱にビニル線を13 回巻いて 12-250pF バリコンを繋いでゲルマラジオを作った.結構高感度で神戸からローカル 局だけでなく夜間に東京の局も聞こえた.

作った同調回路をゲルマラジオだけではなく 2 次側として電線を 2 回巻いて受信機につないでプリセレクターとしても使ってみたら大幅に感度UP.神戸から昼間でも四国の放送が聞こえる.夜になると東京はもちろん,九州や北海道の局が聞こえる.計算してみると北海道からの電波は地平線から 10 度位でやってくる.地球は丸いからな.神戸から1404KHzの静岡局(10KW)を聞こうとしたら釧路の局  (5KW)  が聴こえた.宮崎の局を聞こうとしたら台湾の局が聞こえた事もある.電波のロマンだ.

段ボール箱同調器の話に戻ると Q は 50 位だ.その段ボール箱同調器をスピカの上に置いてたら段ボール箱が箱鳴りがする.箱鳴りは一種の共鳴現象だ.Qは 10位だと思う.良質の LC 同調回路だと Q は 100 以上だろう.
マイクロ波に使われる立体回路だと Q は 10 万位だ.友人が缶ビールの缶で空洞共振器を作っていたがQは5万位だった.Qが高いほど良いような書き方をした が,そうで無い場合もあり電気工学では同じ事を力率が悪いと言う.

共鳴現象は同調回路だけでなく至るところにある.意外な所では大気も共鳴する.周期は10時間程度で Q は 10 位.どうしてこんな事が分るかと言うと火山が爆発した時に大気が振動する.つまり大気のインパルス応答が観測される訳だ.原子核も共鳴現象があり Q は 10 の 10 乗位でとても高い.(量子力学ではエネルギーが周波数になる)

振り子も典型的な共鳴器でレコードプレヤーで振り子を振動させプレーヤーの回転を微調整して振り子の周波数特性を測って Q を測定しようとしたことがある. うまく測れなかったが,45 回転のプレーヤーに同期する振り子の糸の長さを計算すると約 45cm だと言う事に気が付いてエライ発見をしてしまったとオモタ.

ゲルマラジオの共振器から話が発展してしまったが,名前のゲルマニウムダイオードを忘れてはいけない.なぜこれが検波作用つまり電流が一方向にしか流れないかと言うことは半導体の基本だがその非線形に注目した話を.

高校時代に短波受信機を作った.もちバリコン式.出来た受信機のダイヤルを校正するのに普通は標準信号発生器を使うのだがそんなものはない.で,ゲルマラジオから発生する高調波を利用すればどうかと考えた.例えばゲルマラジオが1050KHzの放送を受信していれば 2010, 30150,4200KHz ナドナドの高調波が出ているハズだ.

具体的には作った短波受信機のアンテナ線をゲルマラジオのゲルマに巻きつける. (ワニ口で挟んだような記憶がある) そうすると作った受信機からは 2010, 30150, 4200KHz ナドナドの電波が受信できた.放送局の電波だから標準信号発生器以上に周波数は正確だ.

こんな人たちに憧れながらゲルマラジオに凝っていた頃もあった




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